カスタマージャーニーでユーザーエクスペリエンスを高める
あなたは「カスタマージャーニー」という言葉を聞いたことがありますか?
ここ数年で急速に流行った言葉ですが、聞いたことはあってもあまり意味が分からない方も多いのではないでしょうか。
「マーケティングの専門用語」で終わらせてしまうには非常にもったいないので、ぜひカスタマージャーニーの内容を理解して実践に活用していただきたい。
そこで、今回はカスタマージャーニーとは何なのか、そしてそれをどう活用していくのかをご紹介していきます。
カスタマージャーニーは現代のマーケティングを最適化する
カスタマージャーニーとは?
カスタマージャーニー(Customer Jouney)は直訳すると「顧客の旅」です。
言葉だけではなかなかイメージがつかみにくいのですが、ユーザーがあなたの提供する商品やサービスにどのように関わり、どんな体験を経て購買・利用するのかという一連の流れを「旅」に例えています。
カスタマージャーニーは、マルチデバイス化が進み、SNSなどが普及した現代において、ユーザーの行動や心理を整理・分析する非常に有効な手段です。
実際には「カスタマージャーニーマップ」を作成して、分析を行います。
この分析からは、マーケティングにおける課題が見えてきますので、ユーザー心理を踏まえて成果を改善できるというわけです。
カスタマージャーニーマップを作成してみる
カスタマージャーニーマップを具体的な例で考えてみましょう。
あなたは「久々の休みだから、家族とどこか美味しいご飯を食べに行きたい」と思っているとします。
まずあなたは「飲食店」を探しますよね。
それはウェブで検索したり、飲食店のレビューサイトを見たり、あるいは本や雑誌でおすすめの店を見てみたりといった方法でしょう。
次にあなたはいくつかの候補から飲食店を決定します。
レビューや雑誌の評価、家族からの意見などを参考にされたことでしょう。
そして実際にその飲食店に向かいます。
料理は本当に美味しいんだろうか?あのワインは置いてあるかな?など考えを巡らせます。
そして実際に食事をした後、そのお店が非常に良かったら友人に教えたりサイトにレビューしたりすることもあるでしょう。
この一連の流れをフェーズに分けて並べてみます。
Pahse1:飲食店を探す。
Phase2:飲食店を決める。
Phase3:飲食店に行く。
Phase4:飲食店を評価する。
この各Phaseで、飲食店とどのように接点を持ったか、あなたがどのような行動をとったか、あなたがどのように感じたか。
これを整理して、今度は飲食店側の立場に立ってみます。
飲食店側としてみると、各Phaseでどのような問題を抱えているか、それに対して何ができるかという視点を加えます。
最終的にそれら全てをまとめた表が、「カスタマージャーニーマップ」となります。
カスタマージャーニーマップの実際のイメージ
参考:http://www.adaptivepath.com/ideas/the-anatomy-of-an-experience-map/
カスタマージャーニーマップを作ることで見えてくるのは、結局あなたの顧客になりうる人たちがどこで迷っているのか、つまづいているのかということです。
ただ整理して終わるだけでは意味がありませんが、明確な課題を見つけてその課題へどのようにアプローチしていくか考えることがマーケティングの最適化につながるのです。
カスタマージャーニーはユーザーエクスペリエンスを形作る
カスタマージャーニー分析をする意義
カスタマージャーニーで見えてくるものはマーケティングの課題です。
そして、ユーザーの行動と心理の両面を分析することは、すなわちユーザーエクスペリエンス(カスタマーエクスペリエンス)を高めることに他なりません。
ユーザーエクスペリエンスとは、ユーザーが商品やサービスを使用した時に得られる経験(満足度)のことです。
2004年に提唱された「ユーザーエクスペリエンスハニカム構造」では、以下の7つの項目でユーザーエクスペリエンスを定義しています。
1.useful:役に立つか
2.desirable:好ましいか
3.accessible:アクセスしやすいか
4.credible:信頼できるか
5.findable:探しやすいか
6.usable:使いやすいか
7.valuable:価値があるか
ユーザーエクスペリエンスはユーザー視点に立ってその行動・心理を理解しなければ高めることは難しいものです。
しかし、マルチデバイス・マルチチャネルである現代において、ユーザーはさまざまな属性を持っています。
そのため一様にこういう行動を取る、こういう考えを持っている、というのは断言できません。
そこで活用できるのがカスタマージャーニー分析なのです。
カスタマージャーニーでユーザーエクスペリエンスを高めよう
最後にカスタマージャーニーマップを活用したユーザーエクスペリエンス向上の方法をご紹介します。
カスタマージャーニーマップの作成手順は大きく5つに分けられます。
1.目的を明確にする
カスタマージャーニーマップは、まず何のために作成するのかという目的を決めてから作成をスタートします。
自社サービスの利用者数を増やしたい、自社ブランドの認知度を向上させたい、など目的を明確化させましょう。
2.購買プロセスを切り分ける
次に、ユーザーがあなたの商品やサービスを購入・利用するまでの流れ(購買プロセス)を切り分けます。
これはAISAS理論などの購買プロセスに関する考え方を用いると作成しやすくなります。
参考:AISAS理論
Attention:注意
Interest:興味
Search:検索
Action:購買
Share:情報共有
3.ユーザーの行動・心理の仮説を立てる
購買プロセスを切り分けたら、いよいよカスタマージャーニーマップの肝と言えるユーザーの行動・心理を考える段階に移ります。
各プロセスでユーザーが実際にとるであろう行動を想定し、そこでのユーザー心理まで仮説を立てます。
最初の接触では「バナー広告を見る」場合、ユーザーは「こんな商品があるんだ」「なんかよく分からないサービスだな」といったことを考えるだろう、といった具合に落としこんでいきましょう。
4.実際のユーザーの行動・心理を調査する
いきなり「調査」という言葉が出てきて戸惑われるかもしれませんが、カスタマージャーニー分析ではただ仮説を立てても的外れに終わってしまう可能性があります。
もちろん仮説は非常に重要な要素ですが、実際はどうなのか調べることでその仮説を確かなものに変えていく必要があります。
調査の手法には色んなものがありますが、最も分かりやすいやり方はユーザーへのアンケートでしょう。
アンケートではユーザーの生の声を聞くことができますので、カスタマージャーニーマップの確証には非常に有効です。
そしてもう1つ活用できるのがいわゆる解析系のツールです。
Google Analytics を初めとするアクセス解析ツールでは、ユーザーがいつどこでどのようなものからあなたの商品やサービスと接点を持ったかが分かります。
また、接点を持ってから購買までの期間、その間にとった行動なども読み取れますので、1つの軸として活用できるでしょう。
また、ヒートマップ解析のツールも非常に有効です。
アクセス解析ではどちらかというと事実に基づいた行動を読み取ることができます。
対してさらに細かい視点で見ることができるのがヒートマップ解析の強みです。
ウェブサイトに訪れたユーザーが、各ページでどのような行動をとったか(どこに注目したか、しなかったか)が分かりますし、かつそこからユーザー心理を読み解くこともできます。
3で立てた仮説よりもはるかに実際のユーザー思考に近いものが分かるでしょう。
ヒートマップ解析でユーザーエクスペリエンスを高めることはこちらのページでもご確認いただけます。
5.マップ化して分析する
最後に、これまでの内容をマップに落としこんでいきます。
マップ自体は2の時点で作成し始めても問題ないのですが、最終的にすべての情報を統合させることが必要です。
もちろんただ整理して終わりではありません。
各プロセスでどのような課題があるのかをカスタマージャーニーマップから読み取り、その課題を解決する施策を考える材料として活用していきます。
ここまでできれば、マーケティングの次の一手が見えてくるはずです
カスタマージャーニーを難しいと捉えない
カスタマージャーニー、いかがでしたでしょうか?
ユーザーエクスペリエンスの話も入ってきたので、もしかすると「少し難しいな……」と思われたかもしれません。
ですが、カスタマージャーニーマップは実際作ってみると今まで気づかなかったことが見つかる、まさにマーケティングの救世主です。
一度作ってみればコツも分かりますし、またあなた1人だけでなく複数人で共有できるツールにもなります。
ぜひあなたも一度お試しください。
それでは次回をお楽しみに。
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