アトリビューション分析で最適な広告予算の配分を
ウェブサイトにユーザーを集めるために広告は欠かせません。
とは言っても広告全体の予算は決められているので、効果の高い広告から順に予算を割り振っていることでしょう。
効果の高い広告はやはりコンバージョンの数や獲得単価で判断しているケースがほとんどです。
でもこういった「直接コンバージョン」以外に、間接的にコンバージョンに貢献するような広告があることをあなたは知っていますか?
直接コンバージョンだけで広告の良し悪しを判断してしまうと、間接効果の高い広告に予算は割り当てられません。
そうすると売上アップのチャンスをみすみす逃してしまうことになります。
今回はそのような「間接的にコンバージョンに貢献している広告」を発見するアトリビューション分析についてご紹介致します。
アトリビューション分析によって広告の予算配分を最適化し、売上を今以上にアップさせましょう。
アトリビューション分析で広がった可能性
アトリビューション分析とは?
「アトリビューション(Attribution)」とは元々「帰属、属性」という意味を持つ言葉です。
2007年ごろから、アメリカで広告や解析の分野で使われるようになってきました。
日本では少し後になりますが、2011年ごろよりマーケティング用語として認知され始めています。
アトリビューション分析を簡単に説明すると、「コンバージョンにつながった経路を解析し、それぞれのチャネルの貢献度を測ること」です。
広告を含めチャネルも多様化してきており、ユーザーの流入元も増えてきていますので、コンバージョンまでの道筋は昔のように一本ではなくなってきました。
少し例を出して考えてみましょう。
最初にあなたが配信している「A」というバナー広告を見たユーザーがいたとします。
そのユーザーが「A」のバナーを見て気になったキーワードを検索すると、こちらもあなたが配信している「B」という検索広告が表示されました。
この広告Bをクリックしてウェブサイトに訪問したユーザーがコンバージョンした場合、直接コンバージョンにつながったのは広告Bです。
しかし、このコンバージョンは最初に見た広告Aから生まれたものであり、コンバージョンに貢献した広告と言えます。
こういった経路全体を見て広告の価値を考えるのがアトリビューション分析です。
アトリビューション分析をする意味
アトリビューション分析の概要はつかんでいただけたと思いますが、「結局のところ直接コンバージョンにつながった広告が一番大事なんじゃないの?」という疑問を持たれるかもしれません。
もちろん直接コンバージョンにつながる広告は当然重要です。
その広告がなければコンバージョンは生まれなかったわけですし、そこに予算を投資するのは正しい選択です。
ただ、その広告をクリックするまでの過程を見過ごしてしまうと、コンバージョンにつながる流れを断ち切ってしまう可能性があります。
先程の例でもう一度考えてみましょう。
広告Bはあるキーワードを検索して表示されました。
そしてそのキーワードは広告Aを見たことで検索されています。
この検索行動への転換がなければ、このユーザーはそもそも広告Bを見ていないでしょうし、コンバージョンも生まれません。
だからこそ、広告Aがなければ広告Bはコンバージョンをもたらさない可能性もあるわけです。
アトリビューション分析は、このコンバージョンまでの経路を整理して解析します。
単純に直接コンバージョンしか見ていなければ、広告Bに予算を投下して直接コンバージョンを生んでいない広告Aの予算は削減する可能性もあります。
しかしアトリビューション分析を行って広告Aがコンバージョンに貢献していることを知っていれば、そのような事態を回避できます。
また、広告Aに予算を投下してコンバージョン数を伸ばす戦略を検討することもできるでしょう。
今広告の成果が頭打ちになっている方にこそ、間接的にコンバージョンを生む広告を探すアトリビューション分析は活用していただきたいです。
アトリビューション分析モデル
5つのアトリビューション分析モデル
アトリビューション分析モデルとは、簡単に言うとその接触点(広告)を評価するか決める指標を意味しています。
先程の例では「A」「B」という2つの広告しか登場しませんでしたが、実際のユーザーはコンバージョンまでにさまざまなチャネルをたどります。
その中で最初に見た広告を評価するのか、それとも最後に見た広告を評価するのか、といったことを場合に応じて分ける必要があります。
1.終点モデル(Last Interaction model)
終点モデルでは、コンバージョンにつながった最後のチャネルに価値があるとみなします。
この場合、最後のチャネルまでにたどった経路は重要だとみなされず、コンバージョンを生んだ広告やメールなどを評価します。
直接コンバージョンを評価するためアトリビューション分析の本義からは少し外れていますが、購入までの検討期間が短い(即決で購入される)商品、サービスではこのモデルが有効です。
2.起点モデル(First Interaction model)
起点モデルは終点モデルと逆で、最初のコンタクトとなったチャネルをコンバージョンにつながった要因として評価します。
認知度向上のために配信している純広告など最初の接触点に重きを置くモデルです。
バナー広告などを見た後ユーザーが検索行動に移ってコンバージョンにつながるようなケースでは、最初のバナー広告の重要性が高くなります。
新商品などまだ世間に認知されていない場合はこの起点モデルが活用できるでしょう。
3.線形モデル(Linear model)
線形モデルではユーザーがたどったすべてのチャネルを均等に評価します。
「1.バナー広告」を見て「2.自然検索」でウェブサイトに訪れ、「3.リターゲティング広告」で再訪問してコンバージョンにつながった場合、「1.バナー広告」も「2.自然検索(キーワード)」も「3.リターゲティング広告」もすべてコンバージョンの要因として判断するというわけです。
購買サイクルの中でいずれの接触も重要である場合に役立ちます。
アトリビューション分析の中ではもっとも使いやすいと言われており、これから始める方はまず線形モデルからスタートしてみるのがオススメです。
4.減衰モデル(Time decay model)
減衰モデルは、ユーザーがたどったチャネルに対して最終的なコンバージョンに近いものから順に評価するモデルです。
先ほど線形モデルで出した例で考えると、「3.リターゲティング広告」の価値が最も高く、「2.自然検索(キーワード)」、「1.バナー広告」の順に評価が下がっていきます。
キャンペーン商戦など一定の期間でプロモーションを行う場合、最終日に配信する広告などが重要になり、期間が前になればなるほど効果は薄くなります。
そのため、このような場合では減衰モデルが向いていると言われています。
5.接点ベースモデル(Position Based model)
接点ベースモデルは、一言で言うと起点モデル+終点モデルです。
最初に接触したチャネルとコンバージョンにつながった最後のチャネルの2つを高く評価し、中間の経路はそれより低い評価となります。
最初に認知させるための純広告と最後のコンバージョンにつながった広告がどちらも重要な場合、接点ベースモデルを活用するとよいでしょう。
アトリビューション分析をまずは実践してみよう
アトリビューション分析モデルの話をお伝えしてきましたが、ここまではあくまで座学でしかありません。
「そういう分析の手法があるんだな」で終わってしまうと、結局は何も活かせないままです。
アトリビューション分析は Google Analytics にも搭載されており、これから始める方にとっては無料なので使いやすいでしょう。
また、 SiTest ではカスタムセグメントを活用することで流入元別のユーザーの閲覧傾向を探ることができます。
注目度の高いコンテンツに関連した内容は広告に反映させることで成果を向上させる可能性があります。
その際に直接コンバージョンだけでなくアトリビューション分析で間接効果も調べてみると、新たな発見が生まれるかもしれません。
まずは一度コンバージョンを生んでいるチャネルとそこに至るまでの経路を確認し、どのチャネルの効果が高いのか調査するところから始めてみてください。
そして、状況に応じたアトリビューション分析モデルを活用して売上を伸ばす最適な予算配分を行ってくださいね。
それでは次回をお楽しみに!
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